日本版ガイドライン2020年版
JRC(日本蘇生協議会)が策定した G2015(日本版ガイドライン2015年版)では、「心停止かどうかの判断に自信が持てない場合や、わからない場合も、心停止でなかった場合の危害をおそれずに、ただちに胸骨圧迫を開始する」ことが推奨されています。
JRC G2020では、「判断に迷う場合も胸骨圧迫の適応」という一文が追加されました。
心停止ではない傷病者に胸骨圧迫を開始することで生じる問題よりも、迅速に胸骨圧迫を開始することで得られる救命の可能性をより重視したということです。
心停止ではない傷病者に胸骨圧迫することでの有害事象
実際に心停止ではない傷病者への胸骨圧迫を行った場合、
- 肋骨や鎖骨の骨折
- 圧迫部位の痛み
を認めましたが、臨床的に問題となる内臓などの損傷は認められなかったとされています。
心停止か判断に迷った場合は、「危害をおそれずに、ただちに胸骨圧迫を開始する」ことが重要です。
そして、胸骨圧迫を開始しながら傷病者の顔をみて、痛がったらやめればいいです。
まずは胸骨圧迫を試みるべきです。
まとめ
- JRCが策定した日本版ガイドラインでは、心停止か判断に迷った場合は、ただちに胸骨圧迫を開始するとしている
- 心停止ではない傷病者へ胸骨圧迫を行った場合の有害事象としては肋骨や鎖骨の骨折、圧迫部位の痛みがあげられる
- 臨床的に問題となる内臓などの損傷は認められなかった
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